
美容クリニックで相談するだけのつもりだったのに、高額なコースや追加の施術を勧められた。「断ると失礼かな」「今日だけの割引を逃すともったいないかな」と迷っていませんか。個室で説明が続くと、帰りたい気持ちがあっても言葉にしにくいことがあります。
迷っているときは、その場で契約せず、説明と見積もりを持ち帰って確認しましょう。断るために、病歴や家庭の事情を作り話で説明する必要はありません。「今日は契約しません」「その施術は希望しません」と、今回の意思を短く伝える方法があります。ただし、どんな例文でも必ず勧誘が止まるという保証はありません。
この記事では、カウンセリングだけで帰るとき、当日割引や医療ローンを勧められたときなど、場面別の断り方を紹介します。すでに契約した場合は、契約前の断り方と分けて、クーリング・オフの対象条件、中途解約、消費者ホットライン188への相談を整理します。今の状況に合う対応から確認してください。
- 契約前は「今日は契約しません」と、今回の意思を明確に伝えます。
- 当日割引や分割払いを提示されても、施術の必要性と総額は別に確認します。
- 契約後は、予約キャンセルと契約解除を混同せず、書類と適用条件を確認します。
- 困ったときは、広告・契約書・やり取りを残して188などへ相談します。
今すぐ使える、場面別の断り方
| 場面 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 相談だけで帰りたい | 「今日は説明を聞くだけです。契約や施術はしません」 |
| 高額な提案をされた | 「この提案は希望しません。今日は契約せずに帰ります」 |
| 今日だけ安いと言われた | 「割引がなくなっても、今日は決めません」 |
| ローンなら払えると言われた | 「支払い方法にかかわらず、今回は契約しません」 |
| 何度も勧誘される | 「お断りする意思は変わりません。説明を終えてください」 |
| 帰宅後に見送りたい | 「検討した結果、今回は申し込みません。追加の案内は不要です」 |
例文は編集部が作成した伝え方の案です。解約通知やクーリング・オフの通知とは別のもので、契約後は必要な手続きを確認してください。
美容クリニックの勧誘の断り方|場面別の例文と準備

美容クリニックで勧誘を断るときは、相手を納得させる理由を探すより、自分が今何を希望していないかを明確にすることが大切です。「今日は決めない」「追加の施術はいらない」「説明を終えて帰りたい」は、それぞれ違う意思です。自分の目的に合う言葉を選ぶと、返事が曖昧なまま話が進むことを避けやすくなります。
一方で、施術の提案を受けたことだけで、そのクリニックを不適切と決めつけることもできません。診察の結果、希望した方法が適さず別の方法が説明される場合もあります。重要なのは、その説明を理解して選べることと、希望しない提案を断れることです。医療上の説明が必要な場面では医師に確認し、料金や契約の話と分けて考えましょう。
国民生活センターは、安価な広告をきっかけに無料カウンセリングへ行き、その場で高額な契約をするトラブルについて注意喚起しています。美容目的の施術は多くの場合緊急性がないため、当日契約の割引を示されても、いったん帰って冷静に考えるよう案内しています。「すぐ決めない」という対応は、相談を無駄にすることではなく、判断に必要な時間を確保するための行動です。
例えば、最初に相談したい部位、確認したい費用、当日は契約しないことをメモし、その内容を受付や担当者に伝えます。説明が進んでも、自分のメモに戻って「今日は相談だけです」と確認できます。なお、事前に伝えれば必ず勧誘がなくなるとはいえません。断っても話が続く場合は、さらに理由を足すより、説明を終える意思を伝えることを考えてください。
出典:国民生活センター:安価な広告から高額な美容医療契約につながるトラブル
「今日は契約しません」と短く伝える

契約するか迷っているなら、「今日は契約しません。持ち帰って確認します」と伝えましょう。「検討します」という言葉自体を禁止する必要はありません。大切なのは、今日申し込む予定がないことまで、相手にわかる形で伝えることです。
「少し考えたいです」だけでは、その場で追加の説明を希望しているのか、帰宅後に考えたいのかが伝わりにくいことがあります。そこで、契約しないという意思と、これから取る行動を一緒に言葉にします。相手の性格や営業マニュアルを推測して返答を変えるより、自分の判断を明確にするほうが、伝えたい内容を整理できます。
「説明は理解しました。ただ、今日は契約しません。見積書を持ち帰って確認します」
この言い方は、説明を聞いたことと、契約への同意を分けています。説明を聞く、うなずく、質問をすることが、そのまま申し込みを希望する意思にならないよう、最後に「今日は契約しない」と確認してください。見積書を受け取る場合も、申し込みや施術予約を兼ねた書類ではないかを確認しましょう。
すでに断ると決めている場合は、「今回は申し込みません」と言い切る方法もあります。「家族に相談すれば」「もう少し安ければ」と条件を付けると、その条件を解消するための話が続くことがあります。本当に相談が必要ならそう伝えて構いませんが、使う予定のない理由を増やす必要はありません。
- 迷っている場合:「今日は決めません。帰って確認します」
- 見送る場合:「今回は申し込みません」
- 追加説明も不要な場合:「追加の説明は不要です」
相手が納得したかどうかを待って、断る意思を撤回する必要はありません。丁寧な言葉を使いながら、自分の判断を短く繰り返してください。例文は会話を整理するためのもので、どの相手にも必ず通じる魔法の言葉ではないことも覚えておきましょう。
カウンセリングだけと事前に伝える
相談だけを希望しているなら、予約時と当日の受付で「今回はカウンセリングのみです。契約や施術はしません」と伝えておきましょう。来院目的を先に確認することで、当日施術を前提にした話との食い違いを減らすためです。あわせて、相談だけの場合に発生する費用も確認してください。
「無料カウンセリング」と案内されていても、医師の診察料、検査料、別の相談枠の料金などがどう扱われるかは、予約内容によって確認が必要です。「相談だけなら絶対に無料」と全クリニック共通で断定できません。費用の説明を受けたら、条件がわかる案内やメッセージを保存しておくと、当日の確認に使えます。
「当日は相談のみを希望します。契約や施術をしない場合に、診察料・検査料などはかかりますか」
例えば、予約フォームに備考欄があるなら、相談だけの希望と、確認したい内容を簡潔に記載します。電話予約で説明を受けた場合は、日時と案内内容をメモしておきましょう。当日、担当者が変わっていたら、受付で改めて来院目的を伝えます。事前の連絡と当日の確認を組み合わせると、説明を受けた条件を整理しやすくなります。
帰る時間が決まっている場合は、実際の予定を伝えて構いません。ただし、時間制限を言えば必ず勧誘が終わる、という保証はありません。急いでいるからと、十分に読めない書類へ署名するのは避けましょう。時間が足りなくなったら「続きは後日確認します。今日は手続きをしません」と伝える方法があります。
なお、相談を受けるために必要な確認事項と、契約のための手続きは区別してください。問診では服薬や既往歴などを正確に伝え、断る口実として病気やアレルギーを作らないことが大切です。医学的な情報は安全性の判断に関わるためです。相談だけという希望と、診療に必要な情報の提供は両立できます。
不要な施術や高額プランを断る
希望していない施術や予算を超えるプランを勧められたら、「その施術は希望しません」「この提案では契約しません」と伝えましょう。価格を下げてもらう交渉と、施術そのものを断る意思は別です。施術が不要だと考えているなら、値引きの話に移る前に、希望していないことを確認してください。
診察で別の方法が提案された場合は、医学的な理由を医師に聞くこともできます。なぜ元の方法が適さないのか、代替案を受けない場合はどうなるのか、今決める必要があるのかを確認します。説明が十分に理解できないまま、「高いほうが安全そう」という印象だけで判断することは避けましょう。
| 自分の意思 | 伝え方 |
|---|---|
| 追加の部位は不要 | 「相談した部位以外の施術は希望しません」 |
| 提案を比較したい | 「変更の理由を医師に確認し、見積もりを持ち帰ります」 |
| 契約しないと決めた | 「このプランは申し込みません。別の提案も不要です」 |
例えば、脱毛について相談したのに、別の美容施術まで見積もりに入っていたら、希望した項目と追加された項目を分けて示してもらいます。追加分を外せば必ず元の広告価格で受けられるとは限りませんが、何にいくらかかるかがわからない状態のまま申し込む必要はありません。
麻酔や薬についても、費用だけを理由に自分で省く判断は避けてください。医学上必要なものか、選択できるものかを医師に確認し、説明と総額に納得できなければ施術自体を見送ります。「オプションを全部断れば安全に安く受けられる」という案内は適切ではありません。
断るときは、相手の提案を間違いだと証明する必要はありません。「必要性を理解できていないため、今日は受けません」と伝えることもできます。希望する内容、必要な説明、支払える総額が一致してから判断することが大切です。
当日限定割引やモニターを断る
「今日だけ割引」「今ならモニター価格」と言われても、迷いが残るなら当日契約を見送りましょう。期限付きの価格と、施術を受ける必要性は別の問題だからです。割引があることだけで、安全性や自分に合う施術であることが保証されるわけではありません。
国民生活センターは、モニター契約などの割引を示され、予算より高額な契約を急かされる事例を紹介しています。重要なのは、どれだけ値引きされたかよりも、最終的にどの内容へ同意し、いくら支払うのかを理解することです。比較対象として示された通常価格だけに目を向けず、実際の契約内容を確認してください。
「割引がなくなっても、今日は契約しません。条件を確認してから判断します」
例えば、当初は単発の相談だったのに、「写真を提供すればコースが安くなる」と提案されたら、価格以外の条件も確認します。撮影の範囲、写真や動画の掲載先、追加の来院、条件を満たせなかった場合の扱いなど、何に同意するのかを確かめましょう。その場で内容を確認できなければ、応募や契約を急ぐ必要はありません。
断り方としては、「モニターは希望しません」「写真の提供を含む契約は今回は見送ります」と、希望しない条件を示す方法があります。通常プランを聞きたい場合は、その意思を別に伝えます。ただし、通常価格が高いからと、条件を理解しないまま割引プランへ戻ることは避けてください。
モニターであることだけで、すべての施術が危険、あるいはすべてお得と判断することもできません。説明と条件を確認したうえで選ぶ必要があります。この記事で扱うのは、モニター制度全般の評価ではなく、予定していない契約を勧められたときの対応です。「今日は決めない」という意思を、価格の提示後も変えずに伝えましょう。
出典:国民生活センター:不安をあおる説明やモニター契約への注意喚起
ローンや分割払いの提案を断る
医療ローンや分割払いを提案されても、施術を受けると決めていないなら「支払い方法にかかわらず、今回は契約しません」と伝えましょう。「一括で払えない」という説明だけでは、支払い方法の提案が続くことがあります。契約しない意思を、支払い能力の相談と分けることが大切です。
分割払いは月々の支払額だけでなく、支払回数、手数料、支払総額を確認する必要があります。月額が小さく見えても、負担する総額や支払いが続く期間は別です。施術の契約と支払いに関する契約の相手が異なる場合は、それぞれの書類と条件も確認してください。
「ローンの案内は不要です。支払い方法を変えても、今日は契約しません」
例えば、予算を超える見積もりを示され、分割なら支払えると案内されたとき、先に考えるべきなのは「毎月払えるか」だけではありません。自分が希望していた施術なのか、内容に納得しているか、総額を負担する意思があるかを確認します。それが決まっていない段階で、申込画面への入力を始めないようにしましょう。
- 施術費用と、分割手数料を含む支払総額を分けて確認します。
- 支払回数、支払期間、支払いに関する契約先を確認します。
- 申し込まない場合は、ローンの審査手続きも進めません。
- 収入や職業などは、事実と異なる内容で申告しません。
国民生活センターの注意喚起には、クレジットの申請で虚偽の年収などを記載するよう案内された事例もあります。相手に勧められても、事実と違う情報を記入してはいけません。申請を始めてしまった場合や、何の書類に入力したかわからない場合は、受け取った資料を保存して相談してください。
ローンを断るために、将来の審査や信用情報への影響を自分で断定する必要はありません。制度の細かな説明を持ち出すより、「今回は申し込みません」と意思を伝えるほうが、不要な契約を進めないための対応になります。
勧誘が続くときは終了を伝える
断ったあとも説明が続く場合は、新しい理由を次々に出すより、「お断りする意思は変わりません。説明を終えてください」と伝えましょう。話の目的を、施術を選ぶことから、相談を終了して帰ることへ切り替えるためです。相手との議論に勝つ必要はありません。
例えば、割引、別プラン、担当者の交代と提案が続いても、今日は契約しないという意思は同じです。その都度内容を詳しく検討し始めると、希望していない話を聞き続けることになります。追加の説明が不要なら、そう伝えてください。言葉が出にくければ、事前に作ったメモを見ながら話す方法もあります。
「今日は契約しないとお伝えしています。追加の説明は不要です。帰るための手続きをお願いします」
必要に応じて、受付や別の責任者へ相談終了の意思を伝えることもできます。診察料などの説明を受けた場合は、請求の内容と根拠を確認しましょう。帰りたいという気持ちから、内容を読まないまま新しい契約や同意書へ署名することは避けてください。
威圧される、退室を妨げられるなど、安全に不安を感じる状況では、断り方の工夫だけで解決しようとしないことが大切です。可能であれば家族や知人に連絡し、危険が迫っている場合は警察などへ助けを求めてください。緊急の危険があるときは110番を利用します。契約の相談と、その場の安全確保は別に考えましょう。
帰宅後は、日時、説明された内容、断った言葉、担当者、帰れなかったと感じた状況などを記録します。「勧誘が強かった」だけでなく、どんなやり取りだったかがわかると相談しやすくなります。SNSへ先に公開するより、広告や書類と一緒に相談先へ伝えることを優先してください。
うまく断れなかった場合も、自分だけで抱え込む必要はありません。例文で止まらない勧誘もあるため、契約してしまったときは、次の項目で契約後の対応を確認しましょう。
美容クリニックの勧誘の断り方|契約後の対応と相談先

すでに署名や支払いをした場合は、契約前の断り文句を伝えるだけで手続きが終わるとは限りません。まず、何を申し込み、どの書類を受け取り、どこへ支払ったのかを整理しましょう。施術の予約を取り消すことと、施術コースの契約や支払いに関する契約を解除することは、分けて確認する必要があります。
確認するときは、契約した日、契約期間、契約金額、施術を受けたか、書面を受け取った日をメモします。美容医療には、条件を満たす場合にクーリング・オフや中途解約のルールが適用される契約があります。ただし、すべての美容医療契約に同じ制度が使えるわけではありません。「高額だから必ず対象」「一度でも施術したら絶対に対象外」と自己判断しないことが大切です。
例えば、相談後に申込書へ署名し、後日施術を受ける予定がある場合、予約をキャンセルしただけでは契約についての意思が十分に伝わらない可能性があります。契約をやめたいなら、その希望を明確にしたうえで、必要な通知や清算の方法を確認してください。反対に、契約した覚えがなく請求だけ届いた場合も、書類と経緯をもとに相談する必要があります。
困ったときは、消費者ホットライン188から身近な消費生活相談窓口につながります。相談時にすべての法律名を知っている必要はありません。今ある資料と困っていることを伝え、適用条件や次の行動を確認できます。特に期限が関わる場合は、クリニックからの返事を待ち続けず、早めに相談しましょう。
なお、施術後の体調不良や皮膚の異常がある場合は、契約の話が終わるまで受診を待たないでください。医療上の相談と、費用・解約の相談には別の対応が必要です。この記事は一般的な確認事項を示すもので、個別の契約の有効性、返金額、診断を確定するものではありません。
契約前に見積書と同意書を確認

契約する前には、見積書、契約書、施術の同意書を、目的の違う書類として確認しましょう。「説明を聞いた証拠としてサインしてください」と案内されても、何に同意する書類かを読まずに署名しないことが大切です。電子署名やタブレットへの入力でも、画面の内容と受け取れる控えを確認してください。
見積書では総額と内訳、契約書では期間や解約条件、施術の説明では方法とリスクを確認します。書類の名前や形式はクリニックによって異なるため、タイトルだけで用途を判断しないでください。複数の内容が一つの書類にまとまっている場合は、どこに何が書かれているかを説明してもらいましょう。
| 確認項目 | 質問の例 |
|---|---|
| 施術の内容 | 「施術名、回数、範囲を確認できますか」 |
| 総額と追加費用 | 「麻酔・薬・診察などを含め、支払総額はいくらですか」 |
| 解約の条件 | 「施術前と施術後で、解約時の扱いはどう違いますか」 |
| 医学的な説明 | 「リスクと、この方法が適する理由を医師に説明してもらえますか」 |
例えば、広告の金額と見積書の金額が違ったら、差額を構成する項目を確認します。値段が違うことだけで直ちに不適切と判断するのではなく、広告の対象条件と自分に提示された条件がどう違うのかを聞きましょう。説明が不明確なら、その場で申し込まない選択ができます。
厚生労働省の通知では、施術の費用、回数や範囲、解約条件などを施術前に説明することが求められています。医学上必要のない即日施術を強要しないことにも触れています。「詳しい説明は支払ったあと」と案内された場合は、先に内容を確認したいと伝えてください。
気になる箇所を質問してもわからない状態なら、署名するために理解したふりをする必要はありません。「この内容を確認できるまで、今日は同意しません」と伝え、判断に必要な情報を持ち帰りましょう。
出典:厚生労働省:美容医療のインフォームド・コンセントに関する通知
電話・LINE・メールで断る

帰宅後に見送ると決めた場合は、「今回は申し込みません」と、短い文面で伝える方法があります。長い理由や感想を書く必要はありません。ただし、すでに契約している場合は、単なる見送りの連絡ではなく、契約解除などの手続きを確認してください。
連絡には、予約時に案内された窓口や公式の連絡先を使いましょう。電話が苦手なら、メールや問い合わせフォームなど、記録を残せる方法が用意されているか確認します。LINEも連絡手段として使える場合がありますが、どのアカウントが何の手続きを受け付けるかはクリニックごとに異なります。
「先日は説明をありがとうございました。検討した結果、今回は申し込みません。追加の施術案内や営業目的の連絡は不要です。必要な連絡事項がある場合は、内容をお知らせください」
この例文は、まだ契約していない場合の見送り連絡です。施術予約も入れているなら、予約日時とキャンセルの希望を別に伝え、予約規定を確認します。「契約しない」と送っただけで、予約や支払いのすべてが取り消されたと考えないでください。
電話で伝える場合は、相手の名前、連絡日時、伝えた内容、案内された手続きをメモします。「もう少し安くできる」と返されても、契約しない意思が変わらなければ「今回は見送ります」と繰り返して構いません。別の案内を聞くつもりがないなら、その点も明確にしましょう。
すでに施術を受けている場合、営業案内と術後の診療・経過確認の連絡は分けて考えてください。営業連絡を止めたいからと、必要な受診案内まで確認しない状態にすることは避けましょう。希望する連絡の範囲を伝えると、意思を整理できます。
送信後は、送った本文や回答を保存してください。連絡方法や期限が問題になる契約解除では、既読表示だけで手続きが完了したと判断せず、適切な方法を相談先で確認することが大切です。
クーリング・オフの対象と期間
美容医療の契約は、すべてクーリング・オフできるわけではありません。特定商取引法の特定継続的役務提供として対象になるかを確認してください。美容医療の場合は、対象となる方法の施術であることに加え、契約期間が1か月を超え、金額が5万円を超えることなどが判断に関わります。
対象になる契約では、法律で定められた書面を受け取った日を含めて8日間、書面または電磁的記録によるクーリング・オフができます。施術を受けた日や支払いをした日だけを基準に数えないでください。例えば、法定書面を10月4日に受け取った場合、通常は10月4日を1日目として数えます。書面の不備などが疑われる場合は、自分で期限切れと決めつけず相談しましょう。
| 確認すること | 注意点 |
|---|---|
| 施術の種類・方法 | 「美容医療」という名称だけでは対象を確定できません。 |
| 期間と金額 | 1か月超・5万円超という条件を確認します。 |
| 書面を受け取った日 | 契約日や施術日と同じとは限りません。 |
| 通知と証拠 | 送った書面やメール、フォームの記録などを保存します。 |
通知をする際は、何の契約を解除するのかがわかるようにし、送信や発送の記録を残しましょう。メールを送った場合は本文を保存し、専用フォームを使った場合は入力内容や送信結果を残します。どの相手にどの方法で通知すべきか迷ったら、期限を意識して188などへ相談してください。
この項目の条件だけで、自分の契約が対象だと確定しないことも大切です。1回だけの施術、短期間の契約、施術方法の違いなどで扱いが異なる可能性があります。対象外と感じても、勧誘の経緯によって別の対応を検討できる場合があるため、書類と事実をもとに確認しましょう。
出典:消費者庁・特定商取引法ガイド:特定継続的役務提供/国民生活センター:美容医療契約の注意点
中途解約と清算額を確認
クーリング・オフの期間を過ぎていても、解約できないとは限りません。特定継続的役務提供に該当する契約には、中途解約のルールがあります。ただし、すべての契約に同じ上限額が適用されるわけではなく、対象条件と、施術を受けた状況の確認が必要です。
対象となる美容医療契約では、役務提供開始前の中途解約について、事業者が請求できる費用の上限は2万円です。開始後は、すでに提供された役務の対価に、5万円または契約残額の20%のいずれか低い額を加えた額が上限になります。これは法律上の上限であり、必ずその金額を支払うという意味ではありません。
例えば、まだ受けていない分の契約残額が10万円で、対象となる契約であれば、その20%は2万円です。5万円と比べると低いのは2万円ですが、開始後の清算では、すでに受けた施術の対価も別に確認します。「解約料は2万円だから、返金額はすぐ計算できる」とは考えないでください。
- 契約総額と、すでに支払った金額を確認します。
- 受けた施術の回数・内容と、その対価の計算を確認します。
- 未提供分の契約残額と、解約時の費用の内訳を確認します。
- 返金がある場合は、金額、方法、時期を確認します。
クリニックから清算額を提示されたら、総額だけでなく計算の内訳を求めましょう。施術済みの分がどの単価で計算されているか、追加購入したものがどう扱われているかも確認します。数字が合わない、契約時の説明と違う場合は、書類をそろえて相談してください。
また、施術コースの解約と、医療ローンなどの支払い契約は別に確認する必要があります。解約を申し出たからと、自己判断で引き落としを止めるのは避け、相談窓口や契約先へ対応を確認しましょう。「予約を取り消した」「来院しなくなった」だけで、契約と支払いがすべて終了したとは判断しないことが大切です。
188への相談と記録
強い勧誘を受けた、請求に納得できない、解約方法がわからないときは、消費者ホットライン188へ相談しましょう。188は、身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内する全国共通の番号です。相談は無料ですが、相談窓口につながった時点から通話料金がかかります。
相談の前に、すべての証拠を完璧にそろえる必要はありません。期限が気になる場合は、手元にある資料で早めに相談してください。契約書がない、控えを受け取っていないということ自体も重要な情報です。書類が届くのを待って、相談を先延ばしにしないようにしましょう。
| 整理する資料 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 広告・予約案内 | 広告価格、適用条件、相談だけの希望を伝えた記録 |
| 見積書・契約書 | 金額、施術内容、契約期間、書面の受領日 |
| 支払関係の資料 | 領収書、カードやローンの契約先・金額 |
| やり取りの記録 | 断った内容、解約連絡、回答、日時と担当者 |
例えば、「無料相談で行った」「追加施術を断ったが勧誘が続いた」「その日に契約書へ署名した」「まだ施術は受けていない」と時系列で書くと、現在の状況を伝えやすくなります。相手の意図を推測するより、言われた内容と自分がしたことを分けて記録してください。
医療上の症状がある場合は、消費生活相談だけで完結させず、医療機関への相談・受診も行います。施術したクリニックに症状を伝え、必要に応じて別の医療機関へ相談してください。危険が迫る状況では救急などの対応を優先し、費用や返金の話が終わるのを待たないことが大切です。
クリニックから「対象外」「返金できない」と言われても、その一言だけで手続きを諦める必要はありません。一方で、相談すれば必ず返金されるともいえません。契約内容と経緯に応じた対応を確認するため、記録を持って相談しましょう。
よくある質問
勧誘の場面では、契約前か契約後かによって必要な対応が変わります。断る意思を伝えることと、すでに成立した契約を解除することを分けて考えましょう。よくある疑問を、自分の今の状況と照らし合わせて確認してください。
Q.「検討します」と言ってはいけませんか?
その言葉自体が禁止というわけではありません。帰宅後に考えたいなら「今日は契約しません。持ち帰って検討します」と、今日の意思も添えてください。すでに見送ると決めた場合は「今回は申し込みません」と伝える方法があります。
Q.無料カウンセリングを受けたら、何か契約する必要がありますか?
相談を受けたことへのお礼として、希望していない施術を申し込む必要はありません。ただし、診察や検査などの費用は、事前に案内された内容を確認してください。「契約しないなら費用が発生する」と後から言われ、説明と違う場合は相談しましょう。
Q.医師に勧められた施術も断ってよいですか?
説明を聞き、理解して判断することが大切です。必要性がわからない場合は医師に質問し、納得できないまま同意しないでください。美容目的の提案と、病気や症状に対する治療上の説明は区別して確認します。
Q.予約キャンセルをすれば、契約も取り消せますか?
予約の取り消しと契約解除は別です。コース契約や支払い契約をしている場合は、予約だけを変更して終わりにせず、どの契約をどう解除するか確認してください。キャンセル料などの請求に疑問があれば、資料を持って相談できます。
Q.契約書がなく、タブレットにサインした場合はどうしますか?
何に署名したのか、控えがどの方法で渡されるのかを確認します。メールや会員ページなども確認し、わからない場合はその状況のまま相談してください。電子署名だったことだけで、契約が無効またはクーリング・オフ対象外と決めつけることはできません。
Q.クーリング・オフの8日間を過ぎたら、もう相談できませんか?
相談できます。中途解約の対象か、書面の受領や内容に問題がないか、勧誘時の経緯などを確認する必要があります。期限の扱いを自己判断せず、契約書ややり取りをそろえて早めに相談しましょう。
美容クリニックの勧誘を断るときに覚えておきたいこと
- 迷っているなら「今日は契約しません」と伝え、見積もりや説明を持ち帰ります。
- 断るために、病歴や家庭の事情を作る必要はありません。
- 追加施術・当日割引・ローンの提案と、契約する意思を分けて確認します。
- 断っても勧誘が続く場合は、説明を終了して帰る意思を伝えます。
- 契約後は、予約キャンセル・クーリング・オフ・中途解約を区別します。
- 困ったら広告や書類、やり取りを保存し、188などへ早めに相談します。
来院前に、スマートフォンのメモへ「今日は契約しません。持ち帰って確認します」と残しておきましょう。すでに契約して困っている場合は、断り文句を探し続けるより、書類と経緯を整理して相談することが次の行動になります。
確認に役立つ公的情報
- 国民生活センター:安価な広告から高額契約につながる美容医療トラブル
- 国民生活センター:勧誘・モニター契約への注意喚起
- 国民生活センター:美容医療トラブルの相談と注意点
- 厚生労働省:美容医療の施術を受ける前に確認する情報
- 消費者庁:特定継続的役務提供と解約のルール
- 消費者庁:消費者ホットライン188
※公的情報の確認日:2026年10月4日。本文は一般的な情報提供です。個別の契約の対象条件や期限、解約・返金の扱いは、契約書と経緯をもとに消費生活相談窓口などへ確認してください。